石の魅力に触れる小さな発見の連続、大人の学び旅(石の民俗資料館、石匠の里公園|香川県高松市)
昨年11月のとある日、牟礼方面へおでかけ。
ふと"この近くで行ったことのない場所あるかな"と探してみると、公園があるのを発見。せっかくなので向かってみることにしました。
石匠の里公園の駐車場に車を停めて、公園へ続く階段を上がると、目の前にとっても立派な建物が...!!
こちらの建物は「高松市石の民俗資料館」。
入場料は一般300円。庵治石には興味があるものの、詳しくは知らない私にとっては絶好の機会です! さっそく入ってみましょう。
受付で入場料を支払い、常設展示室へ。
順路に沿って進むと、最初に目に入ったのが「石(岩石)は、この地球を作っている材料そのものです」という説明文。思わず「なるほど...」と石の世界に引き込まれました。
普段は当たり前すぎて意識しませんが「地球の体積の80%は石でできている」とさえ言われるほどに、地表や山、海の下まで"石"は地球を支える土台そのもの。
そして一口に"石"といっても、実は種類がとても多く、どうやって生まれたかによって特徴が変わります。火山の噴出によって固まった石、長い時間をかけて砂が重なってできた石、地球内部の熱と圧力で変化した石など、その成り立ちはさまざまです。大理石や砂岩といった名前は耳にすることがありますが、実際に並べて比べると色や模様が全く違い、"石って本当に多彩だ..."と驚きます。
資料館では、そんな違いを実際に目で見て、備え付けの拡大鏡で表面をじっくり観察することができます。拡大して見ると、肉眼では分からない模様や粒の形がよく分かり、「同じ石でもこんなに個性があるんだ」と気づく楽しい時間でした。
石は、地球の履歴書でもあり、"人類の進化を支えてきた存在"でもあります。
狩りに使う道具になったり、稲をひく道具になったり、時には絵を描くための絵具(顔料)になったり。他にも、例えば、私の祖父母は漁師だったので、魚網を沈めるための重石も実際によく見ていました。私にとっても、思い入れと馴染みがある"石"の使い方の一つです。
また、石の用途として目を引いたのが「古墳」。
古墳といえば、学校で習うときも"土を盛ってつくる"イメージが強かったので、石で造られた古墳があると知って本当に驚きました。
今ではお墓=墓石という組み合わせが当たり前ですが、古墳まで石でつくられていたとは思わず、しばらく説明パネルを読み込んでしまったほど。
香川県でも石清尾山古墳群で石古墳が見られるとのことで、身近にこんな歴史が残っているのも新鮮です。館内には双方中円墳・鏡塚古墳の模型も置かれていて、キャンディのような形のユニークさも相まってつい見入ってしまいました。
続いて、ご紹介するこちらの大きなジオラマ。大正末期〜昭和初期の庵治石の採石場を再現したものです。
石を切り出し、運搬するところまでが描かれています。音声とライトが切り替わりながら、採石から運搬までの流れを追える仕組みで、初めてでもとても理解しやすかったです。
山から石を切り出した後は、運びやすいサイズまで小さくしていきます。このように山から石を切り割することを専門的には『落とす』と表現するそうで、"そんな言い方するんだ"とおもしろかったです。
石を落とした後に使われる運搬道具は「猫車(ネコグルマ)」。一輪車のことを「ネコ」と呼ぶのは漁港や建築現場でも同じですね。ひっくり返した姿が丸まった猫に似ているのが由来と言われたりしますが、誰が言い始めたのかは謎。それでも、呼び名が広く定着しているのもおもしろいところです。
石を採り、運んだあとは、いよいよ"彫る"工程へ入ります。
用途によって道具を使い分けるため、道具の種類は細かく分かれています。写真の道具はほんの一部。素人目には同じにしか見えないような、いくつもある似て非なる道具の中から、適宜、職人さんが道具を使い分けながら、丁寧に石を削って、形を整えていきます。
仕上げは"磨き"の工程。
ここでは、灯籠が出来上がるまでの流れが分かりやすく紹介されています。この磨きの有無で、驚くほどに質感が変わります! これは是非一度自分の目で見て欲しい。とにかく、質感の変化が凄いです。
また、灯籠は、中心部分の「火袋」の形で種類が分類されるそうで、時代によってデザインが変化してきたことも初めて知りました。今後、灯籠を見るときの注目ポイントが増えました!
このように、石は大きく「採る ⇒ 運ぶ ⇒ 彫る ⇒ 磨く」という4つの流れを経て、ようやく製品になります。それぞれの工程がとても繊細な作業の連続。石工さんとは、かなり神経を使う職人さんであることがよく分かる展示の数々でした。新しい知見が多く、とても楽しめました!
常設展示室を出たあとは、常設展示室の入場券で観られるAVライブラリー室へも足を運びます。ここにもたくさんの石が並んでいました。
......思わず某・月に代わっておしおきしてくれそうな少女アニメを思い出すラインナップですね!
AVライブラリー室では石だけでなく、牟礼の歴史についての映像も視聴できます。私はこのあと行こうと思っていた「那須与一」ゆかりの地の予習として、関連映像を視聴。1分前後の短い解説でとても分かりやすくまとまっているので、見やすいし理解しやすいです。とてもオススメ。
資料、音声、ライト、映像、カラクリ、ジオラマ......。
石の民俗資料館では、さまざまな方法で学べるので、石のことも、牟礼の歴史も、庵治石の魅力も楽しく知ることができます。
さらに、定期的にイベントも開催されているそう。その中でも人気なのが「ストーンハンティング」。
砂利の中に隠された天然石を制限時間内に探し出すゲームで、見つけた石は持ち帰れるとのこと。私が訪問した時も、親子連れが夢中になって天然石を探していました。
また、ミュージアムショップには、石の町らしいお土産がずらり。
こちらのショップで、私は一目ぼれした白フクロウのペーパーウェイトを購入しました。かわいい!
新しい知識をたくさん得て、素敵な石のお土産も手に入り、大満足で資料館を後に。退館すると目の前に広がるのはこの景色。
公園の芝生の緑と空の青が広がり、風も心地よくて、しばらく見入ってしまう景色です。
遊具もとても立派で、各所に石を使用した作品が並んでいます。石の魅力をいろんな形で感じられて、好奇心が刺激される唯一無二の公園でした。
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※詳しい情報は外部サイトをご確認ください。
【石の民俗資料館】
所在地 〒761-0121 香川県高松市牟礼町牟礼1810
サイト https://www.city.takamatsu.kagawa.jp/smph/kurashi/kosodate/bunka/ishimin/index.html
開園時間 9:00-17:00
定休日 月曜日
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※写真は高松市石の民俗資料館で撮影したものです。流用などの一切を禁じます。
※本コラムは2025年11月時点の情報をもとに記載しております。施設やサービスの内容に変更がある場合がございますので、訪問の際には事前に最新の情報をご確認いただきますようお願い致します。
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