焼餅、モラエスの花、鯛ラーメン。徳島で出会う物語(和田の屋本店、鯛ね食らいねTAITARO〜第二章〜|徳島県徳島市)
【この記事で分かること】
・400年以上受け継がれる徳島の老舗和菓子「滝の焼餅」
・冬~春の季節にだけ出会える、黄色い「モラエスの花」
・見て楽しい、食べてビックリな個性派・徳島ラーメンの魅力
あれよあれよという間に月日が過ぎ、気づけば季節はもう初夏の陽気!
「春のうちに書こう」と思っていた徳島旅も、すっかりタイミングを逃してしまいました。
今回ご紹介するのは、冬から春にかけて出会った徳島の景色や味たち。 季節限定の楽しみも多く、「もう時期が終わってしまったかな?」というものもあるのですが、だからこそ、また次の冬や春を楽しみに思えるような場所ばかりでした。夏にはまた違った景色や限定メニューに出会えるお店もあると思うので、「次はこの季節に行ってみたいな」と思いながら読んでいただけたら嬉しいです。
そんなわけで今回は、「会いたかった味」と「見たかった景色」を訪ねる、小さな徳島旅を振り返っていきます。
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まず向かったのは、眉山のふもとにある老舗和菓子店「和田の屋本店」さん。
お車の場合は、お店の前の道を通り過ぎて、突き当たった先にある緑のコーンがあるところに駐車します。
ここへ来た目的は二つ。昔から変わらない名物「滝の焼餅」をいただくこと。そして、冬~早春にかけてだけ咲くという「黄色い小さなお花」を見ることです...!
徳島市街を見守るようにそびえる眉山。その足元に静かに佇む「和田の屋本店」さんは、どこか時間の流れまでゆっくりになったような空気が漂っています。
こちらのお店の名物といえば、「滝の焼餅」。戦国時代末期まで歴史を遡ることのできる阿波名物です。
1586年、豊臣秀吉から阿波国統治を任された蜂須賀家政公が城を築き、現在の徳島中央公園周辺を整備した際、その祝いとして献上されたのが始まりと伝えられています。
四百年以上もの時を受け継いできたこのお菓子は、現在「とくしま市民遺産」にも選定されており、今もなお地元の人々に愛され続けています。
" 四百年以上受け継がれてきた味"
そう聞くと、どこか格式高く、特別な味を想像するかもしれません。
けれど実際にいただいてみると、その印象は、いい意味で少し違いました。
ひとくち頬張ると最初に感じるのは、ふわりと広がる香ばしさ。焼き目のついた皮の香りがどこか懐かしく、思わず子どもの頃を思い出します。
おばあちゃんの家で、冬になるとストーブの上に網を置いて焼いていたお餅。あの少し焦げた香ばしさと、部屋いっぱいに広がる温かな空気。
滝の焼餅には、そんな記憶を呼び起こす不思議な力がありました。
餡には、眉山湧水群の名水「錦竜水」と北海道十勝産の小豆を使用。上品な甘さで、どこまでも素朴。それでいて物足りなさはなく、丁寧に作られていることが伝わってきます。派手さではなく、長く愛される理由がそこにありました。
そしてもう一つ、この時期に訪れたかった理由が、お庭に咲く黄色い花です。
白糸の滝周辺では、11月中旬頃から3月上旬頃にかけて「キバナアマ(黄花亜麻)」が咲き誇ります。けれど徳島では、この花は別の名前で親しまれています。その名は「モラエスの花」。
徳島を深く愛し、この地に永住したポルトガル人外交官 ヴェンセスラウ・デ・モラエス に由来すると伝えられている花です。異国からやって来た一人の人物が愛した花として、今も地域にその名が残っている――その背景を知るだけでも、なんだか徳島らしい温かさを感じます。
実際に目の前で見た花は、小ぶりで、やわらかな黄色をしていました。
派手ではないけれど、春の日差しの中でそっと揺れる姿が愛らしく、見ているだけで気持ちまでぽっと温かくなります。
ああ、見に来てよかったな。そんな気持ちになれる景色でした。
「和田の屋本店」さんでは夏になるとかき氷なども登場するそうです。私が訪問した季節は冬でしたが、次はまた違う季節にも訪れてみたいところです。
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......とはいえ、焼餅だけではまだ満たされない私たちのお腹。
次はランチへ向かいます!
何を食べようかと話していた時、友人がぽつりとひと言。
「徳島に来たし、せっかくだから変わったラーメン食べたいね」と。
その瞬間、私の頭にすぐ浮かんだお店がありました。そして、車を走らせて向かった先は「鯛ね食らいねTAITARO~第二章~」さん。
こちらのお店は、徳島ご当地VTuber・蒼藍アオさんの紹介で知り、以前コトバスVオンラインバスツアー徳島編でもご縁をいただいたラーメン店でもあります。
徳島ラーメンというと、濃い醤油味や豚バラ肉、生卵を思い浮かべる人も多いかもしれません。けれど実際には、徳島ラーメンも実に多種多様......!!
そして、その中でもひときわ独自路線を歩んでいるのがこのお店だと思います。
まず驚くのは店主さんの経歴。
店主・原田さんは、絵本『ゾンビハムスターねずこ』の原作者・作画担当であり、「三円小説」の執筆者でもあるという異色の人物です。店内カウンターには著書も並び、待ち時間に読むことができます。くすっと笑える話もあれば、短いながら妙に考えさせられる話もある。
ラーメン店で本を読みながら待つ。そんな時間もまた、このお店らしい魅力です。そして、さらに面白いのがメニュー名。
券売機を見ると「津田BLACK(鯛焦がし醤油らぁ麺)」「新浜GOLD(鯛焦がし塩らぁ麺)」「昭和町BROWN(鯛100% 中華そば)」などなど、まるで作品タイトルのような名前が並びます。友人が選んだのは「新浜GOLD(鯛焦がし塩らぁ麺)」。
一緒に行った友人が選んだのは「新浜GOLD(鯛焦がし塩らぁ麺)」。
黄金色のスープは見た目こそあっさりですが、実際には意外としっかり濃厚。「手毬り麩」や「うずら卵のニンニク醤油漬け」など、個性的な具材が並びます。そのまま味わった後、レモンとバターを加えると一気に表情が変化。
さらにお酢を加えればまた違う味わいになるという、一杯で何度も楽しめる、まるでラーメン版ひつまぶしのような一杯です!
そして、私が選んだのは「昭和町BROWN(鯛100% 中華そば)」。
特に印象的だったのは、チャーシューの上に添えられたクランベリー。肉の脂の旨味と甘酸っぱさという、これまで経験したことのない組み合わせでしたが、不思議なくらい相性が良く、驚かされました。大きな正方形のメンマも存在感抜群。メンマ好きにはたまらないご褒美です。細麺に絡む鯛出汁はしっかり旨味がありながら重すぎず、かつおだしで更なる出汁の深みを増していく味変。気がつけば、麺を食べ終わった後もスープを何度も口に運んでいました。
ゆったりしたカウンター席で、待ち時間も楽しめる書籍。店内もスタッフさんも明るく、さらにはBGMとして、徳島出身の米津玄師さんのライブDVDも流れていて、ゆったりとした空気に居心地が良かったです。
しかも、実は店主である原田さんは、徳島・大歩危土産の新定番「子泣きらぁ麺」も総合プロデュースされています。
大歩危のある三好市山城町が「ゲゲゲの鬼太郎」でもお馴染み、児啼爺(こなきじじい)の伝承の地であることから、パッケージにもその姿があしらわれています。土地の歴史や文化が、こうして新しい形のお土産へつながっているのも面白いですよね。
こちらもまたお店とは違ったラーメンが楽しめますので、ぜひ徳島土産に選んでみてくださいね(高松オルネ「shikoku meguru」でも販売されていたので、気になる方はぜひ!)。
なお、「鯛ね食らいねTAITARO~第二章~」さんですが、2026年6月は店主さんが出張でお忙しいとの事で丸々お休みだそう。2026年7月からは営業予定との事なので、ぜひ7月以降に食べに行ってみてくださいね。夏限定商品もあるみたいですよ...!!(気になる!)
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四百年続く焼餅を味わい、異国の人が愛した花を見て、個性あふれるラーメンを食べる。今回の徳島旅は、ただ"おいしいもの巡り"をしただけではなく、その土地に根付いた歴史や、人の想いに触れられる時間でもありました。
長い年月をかけて受け継がれてきた味。誰かが愛し、残してきた景色。そして、店主さんの個性や遊び心が詰まった一杯。
徳島には、観光地を巡るだけでは見えてこない「人の温度」が、町のあちこちに息づいているのかもしれません。
今回ご紹介した景色や味の中には、季節限定のものもありましたが、だからこそ「次はあの季節に行ってみたい」と思える楽しさがありました! ぜひ皆さんも、"会いたかった味"や"見たかった景色"を探しに、徳島を旅してみてくださいね。
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※詳しい情報は外部サイトをご確認ください。
【滝の焼餅|和田の屋】
所在地 〒770-0908 徳島県徳島市眉山町大滝山5−5
定休日 木曜
HP https://wadanoya.com/
【鯛ね食らいね TAITARO 〜第二章〜】
所在地 〒770-8007 徳島県徳島市新浜本町1丁目1-41
定休日 月曜、火曜
HP https://x.com/kabosudachikun
X https://x.com/kabosudachikun
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※本コラムは2026年02月時点の情報をもとに記載しております。施設やサービスの内容に変更がある場合がございますので、訪問の際には事前に最新の情報をご確認いただきますようお願い致します。
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