甘党の聖地で叶える、秋に恋する甘味旅(G.B.C Chocolate factory、白賁堂 柴田モナカ本舗、ゴトウ洋菓子店|愛媛県四国中央市)
秋といえば甘いものが恋しくなる季節。
そんな季節にぴったりのスイーツを求めて、香川県と高知県のちょうど間に位置する"四国の交差点"こと四国中央市へおでかけしてきました。
ここで出会えるおすすめのスイーツショップ3選として、「GBC Chocolate factory」「白賁堂 柴田モナカ本舗」「ゴトウ洋菓子店」をご紹介します。
▶ G.B.C Chocolate factory ―キリヤマベース―
まず最初に訪れたのは「G.B.C Chocolate factory」。
広い駐車場とかわいらしい外観、目を引く「爆ドーナツ」の看板が迎えてくれます。

「G.B.C」とは"GRABBAG COFFEESTOP"の略。"GRABBAG"は「小さなプレゼントがたくさん入った福袋」、 "COFFEESTOP"は「気軽に立ち寄って休憩できる場所」を意味します。
その名の通り、ふらっと立ち寄れば思いがけない楽しさに出会えるお店です。
店内には焼き菓子やチョコレートがずらり。
看板商品の「爆ドーナツ(焼きドーナツ)」はプレーン、新宮抹茶、瀬戸内レモンの3種類。私は新宮抹茶と瀬戸内レモンをいただきました。

「新宮抹茶」は、割ると鮮やかなグリーンが現れ、お茶の香りがふわっと広がります。丹波黒大豆がアクセントになりつつも、ふわふわ軽い口当たり。レンジで少し温めると香りがさらに引き立ちます。
「瀬戸内レモン」はレモンピールとレモン風味のアイシング仕上げ。ピリッと爽やかな酸味と甘みのバランスが絶妙です。
そして、ぜひ味わって欲しいのがチョコレート。
店主さんは、イタリアで飲んだエスプレッソに衝撃を受けて世界中を旅する中で、カカオ豆に出会い、現地農園から直接仕入れてチョコ作りを始めたのだそう。乳化剤を使わず、カカオと地元のサトウキビだけで仕上げたチョコレートは、2018年の「インターナショナルチョコレートアワード世界大会」で、板チョコレート部門で銀賞、ミルクチョコレート部門で銅賞を受賞。世界に認められた逸品です。
ダークチョコレートはカカオ70%で4種類。
・PERU(ペルー・ワヌコ)
・BRAZIL(ブラジル・バイーア)
・MADAGASCAR(マダガスカル・アンバンジャ)
・VIETNAM(ベトナム・ベンチェ)
産地ごとの個性があり、ワインやコーヒーと合わせてゆっくりと楽しみたくなる味わいです。箱入りやコイン型などパッケージの種類も豊富で、手土産やギフトにもぴったりです!


さらに、顧客の声から誕生したミルクチョコレートは、カカオの苦みや酸味を抑えながらも奥深い味わいがあり、高カカオが苦手な方でも食べやすい優しい仕上がりです。
ちなみに、店内には田中みな実さんのサインも! 毎年東京のバレンタイン催事に出店しており、その際に召し上がったのだそうです。
*
▶ 白賁堂 柴田モナカ本舗
続いては「白賁堂 柴田モナカ本舗」。


安永元年(1772年)創業。土佐藩御用菓子司として山内公にも愛された、250年以上続く老舗です。
屋号の「白賁堂(はくひどう)」は『易経』の一節である「白賁。无咎。」に由来しており、「純白を尊び、真っ白な心で本分に専念する」という意味が込められています。
伝統を大切にしつつも、現代の食卓に合う和菓子を展開中。最中やおまんじゅう、カステラなど、世代を超えて楽しめるラインナップや、若者にも親しみやすい餡なども考案されており、まさに老若男女問わず愛されるお店です。どれも素材選びと手間にこだわっており、繊細な味と食感の絶妙なバランスを極めています。
なかでも注目は、創業250周年を記念して作られた「幸せの小槌」の焼き印。おまんじゅうに250個に1個の割合で入っているサプライズ。
小槌の由来は、四代当主の奥方が見た夢。夢の中のお告げ通りに、松の木の下から現れた小槌は、家を守る宝となり、勤勉と繁栄を願う象徴として受け継がれ、モナカの模様やおまんじゅうの焼き印にも、その小槌が刻まれるようになったそうです。
そして実は私も、運良く「幸せの小槌」を引き当てました!!!
包みを開けた瞬間現れた焼き印に、思わず「わぁ!」と声が出るほどの感動。歴史と逸話が重なって特別な一口となりました。
そんな小槌サプライズを楽しめるのが自家製餡のおまんじゅう『あんこ職人謹製』。5種類のフレーバーがあり、個性も様々。
■あずきあん
王道の自家製小豆こしあん(白賁堂さんの社内では通称「赤あん」と呼ばれているそうです)。
色は一般的に想像する餡子よりもやや薄めで、黒糖など複数の砂糖を使った奥行きのある甘さが印象的。サラリと溶け、ほのかなざらつきとともに消えていく上品さがあります。
■つぶあん
なめらかなこしあんの中に、ほんのり粒を残した仕上げのつぶあん。皮・薄い餡・つぶあんの三層が重なり、常温で食べるとその三層が見事に溶けあう複雑で繊細な味に。凍らせて食べると層の違いがくっきり感じられて、あずきあんとの違いをもしっかり楽しめました!
■つぶつぶ栗あん
小さく刻んだ栗がぎっしり。これでもか!というほど栗がぎっしり詰まっていて、どこをかじっても栗の食感が楽しめて、栗の隙間を埋める餡とのバランスも絶妙。冷凍すると栗の存在感がさらに際立って、オススメです◎
■チョコあん
「日本一チョコをたっぷり詰めた和菓子を作ろう」という想いから生まれた一品だそう。
その想いが伝わるほど、濃厚でしっとりとしたチョコ感。そこに、餡のざらりとした舌触りが加わり、常温や冷やしてもおいしいですが、レンジで温めればフォンダンショコラのようにまた違ったくちどけが楽しめます。
※私が見つけた「幸せの小槌」の焼き印が押されていたのは、このチョコあんでした!
■珈琲あん
珈琲の香りがふわっと広がり、ツンとした苦みが鼻を抜ける大人の味。なめらかな餡と合わさることで、甘さと苦みの調和が生まれます。チェルシーの珈琲飴の珈琲みがあるので、あれが好きな人は絶対好きだと思います......!
ちなみに、この「あんこ職人謹製」の肝は餡ですが、その美味しさを際立てているのは、餡を包む「皮」だと思いました! 薄生地で軽く、皮の香ばしさが餡を際立たせてくれる造り。しかも薄皮なので、冷凍しても温めても食感の邪魔にならず、食べ方の幅を広げてくれています。
そして、もう一つの名物「柴田の最中」も外せません。


自家製あんには水分がしっかり含まれ、しっとりと透明感のある仕上がり。
甘さは優しく、すっと口の中で溶けていく不思議な食感です。薄めの最中生地がサクッと香ばしく、あんの旨みをしっかりと引き立てています。
ただし、食べる前の温度・室温管理には要注意!
この最中はとても繊細。"購入直後のもの"と"撮影のために常温でしばらく置いてあったもの"とでは、生地のサクッと感が明らかに違っており、温度や湿度に敏感であることがよく分かりました。その分、出来立てをいただく時の感動は格別。まさに職人技が詰まった逸品ということですね。
最後にご紹介する商品は「カステラ」。
昔ながらの材料(卵・砂糖・小麦粉・水あめ)だけを使った素朴なカステラです。
手に持つとふにっと沈むほどしっとりしていながら、口に入れるとスポンジのふわふわ感もちゃんと感じられます。甘さは控えめで、素材そのものの風味を楽しむ昔ながらの味わい。ついつい手が伸びる美味しさでした。
*
▶ ゴトウ洋菓子店
最後にご紹介するのは、スイーツ好きにはおなじみの「ゴトウ洋菓子店」。
1970年創業以来、「厳選素材」と「どこにもない美味しさ」にこだわり、手作りの温かさが感じられる優しい味わいのお菓子を地元民に届けてくれています。その確かな品質は、伊予鉄高島屋や三越高松店といった百貨店にも商品が並ぶほど。地元では"知る人ぞ知る人気洋菓子店"として長く愛され続けているお店です。
ここでのおすすめは、長年愛され続ける銘菓「午後のチーズ」。

この写真を見て、きっと「よく見るタイプのチーズケーキね。」そう思った方もいるかもしれません。...が! 見た目が同じようなチーズケーキは確かに世の中いっぱいあるのですが、未だこの繊細な味とふんわり食感をわたしは他で味わえたことがありません。
ふんわり軽やかなのに、しっとり濃厚。
二口サイズの小さなチーズケーキに、唯一無二の美味しさが詰まっています。
一口食べると口の中でしゅわっと軽やかに広がり、ねっとりとした濃厚チーズのコクが後から追いかけてきます。上は焼き目のついたチーズ部分、下はやわらかなスポンジの二層仕立て。食感のコントラストが楽しく、気づけば何個でも手が伸びてしまう。クセになる味わいです。
スフレでもベイクドでもない独自の"半生菓子"。冷蔵庫で冷やすとしっとり、凍らせて半解凍で食べると、ひんやり感とシュワっと感が合わさって、また違った美味しさを楽しめます。サイズこそ小ぶりですが、濃厚で満足感の高い一品です。贈り物にも、自分へのご褒美にもぴったりです。
愛媛の方ならば伊予鉄高島屋(松山市)で、香川の方ならば三越高松店(高松市)でも購入可能なので、お近くの方はぜひ一度味わってみてください。
*
香川と高知の間に位置する四国中央市は、伝統を守る老舗と、新しい挑戦を続けるお店が共存する"甘い文化の交差点"。食欲の秋にぴったりのスイーツが盛りだくさんでした。歴史とこだわりが詰まったお菓子を求めて、秋のおでかけに訪れてみてはいかがでしょうか?
*
※詳しい情報は外部サイトをご確認ください。
【GBC Chocolate factory】
所在地 〒799-0422 愛媛県四国中央市中之庄町1684−7
サイト https://www.grabbag.jp/
開園時間 9:00-19:00
【白賁堂 柴田モナカ本舗】
所在地 〒799-0101 愛媛県四国中央市川之江町1794−3
サイト https://shibata-monaka.jp/
開園時間 8:00-19:00
【ゴトウ洋菓子店】
所在地 〒799-0101 愛媛県四国中央市川之江町1930−3
サイト https://gotoyogashiten.com/
開園時間 9:30-19:00
#四国旅 #旅ログ #愛媛県 #四国中央市 #川之江 #名産品 #お土産 #地元 #ローカルグルメ #ローカルフード #観光 #景色
※本コラムは2025年9月時点の情報をもとに記載しております。施設やサービスの内容に変更がある場合がございますので、訪問の際には事前に最新の情報をご確認いただきますようお願い致します。