初めてのこんぴら歌舞伎紀行 後編(旧金毘羅大芝居「金丸座」|香川県仲多度郡琴平町)
さあ、「初めてのこんぴら歌舞伎紀行[後編]」へようこそ!
「初めてのこんぴら歌舞伎紀行[前編]」ではこんぴら歌舞伎と金丸座の歴史について詳しくお話ししました。ここからは[後編]として、実際に入場してからの体験や具体的な観劇の様子についてお伝えしていきます。
見どころや感想、役立つポイントなど盛りだくさんでお届けしますので、どうぞ最後までお楽しみください。
こちらは入場してすぐの廊下の様子。
会場内の廊下でもパンフレットを販売してくれていました。
会場外の売店ではもちろん、会場内でも販売してくれているのは助かるー!!!
私は会場に着くなり急いで入場しちゃったので、会場内でパンフレットを購入できるのは非常にありがたかったです。会場の独特な雰囲気を味わいながら、のんびりパンフレットを読んで、開演を待ちます。
今回訪問したのが初日の午前の部(第1部)だったこともあってか、市長の挨拶があり、新しい祝幕を提供した永谷園の会長さんもいらっしゃっていて、特別感のあるオープニングでした。
今回永谷園さんから贈られたという、大きさ縦6.2m×幅15.2mの牡丹の絵が描かれたこの祝幕もとても美しいです。
そして、開演。
1つ目の演目「伊賀越道中双六 沼津」では、中村鴈治郎さんが演じる"雲助平作"と、松本幸四郎さんが演じる"呉服屋十兵衛"が二人で"花道"や"歩み"という金丸座の舞台構造を上手に使いながら、コミカルなやりとりで観客を楽しませてくれました。
平作が「旦那さん!今日はなぜか朝から心臓が妙にドキドキしていてねぇ......」という初日ならではの中村鴈治郎さんの緊張を示すようなセリフがあったり、呉服屋十兵衛に対して平作が「いやー!旦那さんは綺麗なお顔をされていらっしゃる!」と言ったらば、呉服屋十兵衛が「よく言われます」と返したり。笑。
狭い会場を広く使ってパフォーマンスしてくれるので、本当に役者さんが近い!!!
表情の細やかな変化もよく見えるし、最前列だとおしろいの香りさえ香るような距離の近さです。
その後のストーリーも、笑えて、泣けて。喜怒哀楽の感情が忙しい楽しい時間を過ごせました。
幕間(休憩)を挟んで、2つ目の演目は「羽衣 長唄囃子連中」。
「沼津」がお芝居と語りを楽しむ演目だとすると、「天女」は楽器と舞を楽しむ演目と言えるかもしれません。
「天女」の感想を一言で言うならば「美麗」。
ひたすらに所作が美しいです。
頭のてっぺんから足のつま先まで、目に入る全てが美しく、圧倒されます。この技術を得るためにどれだけの苦労が必要なのだろう?と努力の積み重ねを感じずにはいられません。
終盤の見せ場となる、花道での宙乗り(ワイヤーで吊り下げられた役者さんが天女の舞いをしながら花道を移動する演出)では、会場が割れんばかりの拍手喝采。大興奮の中、幕を閉じました。
ちなみに、この時の上演時間は、1幕の[沼津]が約2時間の公演。幕間(休憩時間)が35分間あって、その後の[天女] の演目が約20分の公演となっており、14時前頃に終演でした。
なので、公演後のお昼ごはんとなると、少し遅めの時間帯になってしまうので。事前にお弁当を買ってきておくか、幕間に会場前に並んだ売店で飲食するのが良いかと思います。
一般的な劇場は飲食禁止なところが多いですが、金丸座では幕間にお座席で食事をすることが許されています! なので、せっかくならば、その場の雰囲気を味わいながら幕の内弁当を楽しむとタイムスリップ気分が味わえるのでオススメです◎
わたしは、コトバスの販売商品の「観劇セット」に含まれていた料亭 二蝶さんのお弁当を美味しくいただきました!(◍´⤙`◍) ŧ‹"ŧ‹"
これぞ、さすが料亭 二蝶さんクオリティ。
彩りも豊かで見た目に楽しくて、繊細な味付けで大変美味しくいただきました!
古き良き金丸座で、こんな上品なお弁当を食べられて、大変至福の一日でした。
こんぴら歌舞伎の体験記としては、ここまで。
ここからは、もし来年こんぴら歌舞伎に行ってみようかな?という方へ、初めてこんぴら歌舞伎へ行ってみた私からのアドバイスをさせて頂ければと思います。
そのアドバイスとは、次の3つ......!!
1.荷物はなるべく小さくする!
会場となる金丸座の座席数は730席ほどですが、こじんまりしていて、個々のスペースがかなり狭いです(そのぶん、双眼鏡いらずで役者さんが間近に見られる会場ではある)。
事前に琴平駅のコインロッカーに預けるなどして、荷物は最小限にしておくことをおすすめします。その前提のうえで、パンフレットを買ったり、配布物として入場時にうちわをもらえたり、会場前の売店ではお土産を売っていたりするので、エコバッグも1つ荷物に忍ばせておくのが良いと思います!
2.羽織りものがあると安心!
こんぴら歌舞伎は毎年春に開催されます。
金丸座は歴史ある建物のため、晴れた日でも通る風が冷たく、肌寒く感じることが多いです。かさばらないカーディガンやストールのような軽く羽織れるものがあると安心です(後舟席[自由席]の場合は、それらで場所取りもできますよ)。
なお、服装は普段着でも大丈夫◎
3.靴は坂道や階段が登りやすく、脱ぎ履きもしやすいものを!
会場となる金丸座までは、徒歩で坂道と階段を登っていきます。なので、ヒール靴やサンダルなどは、お勧めしません。
特に金丸座では靴を脱ぐ場面もあるため、靴擦れがしづらく、着脱もしやすいような履きなれたスニーカーやローファーなどが理想的です。
歌舞伎も、金丸座も、今回初めての体験でしたが、かなり楽しくて、行って良かった!!!という思いでいっぱいです。
今思い返しても「凄く楽しかったなー。また行きたいなー。それにしても、あの時の手振りは本当に美しかったなー。」と反芻して心が躍ってしまうくらいには最高の思い出。
ぜひ機会があれば(機会を作ってでも)、一度参加してみてくださいね!
きっと、楽しい思い出が作れるはずです。
また、その際には、このコラムが少しでもお役に立てれば幸いです。
今回は「こんぴら歌舞伎」にフォーカスしてお伝えしましたが、建物である「金丸座」についてもまだまだ語りたいことがたくさんあるので。また別の機会にご紹介できればいいな......!!
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※詳しい情報は外部サイトをご確認ください。
【こんぴら歌舞伎】
サイト https://www.konpirakabuki.jp/index.html
【旧金毘羅大芝居(金丸座)】
所在地 〒766-0001 香川県仲多度郡琴平町乙1241
営業時間 9:00~17:00(公演開催時は休館の場合あり)
サイト https://www.konpirakabuki.jp/index.html