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白看板を通じて感じる、時が止まっている場所 < 旧式案内標識 / 四国各地>

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狭い路地に小さな商店。
地方では大型店舗が小売業の中心的存在となって久しいですが、それ以前は 四国内外問わずこのような場所が多くあり、地域振興の中心だったはずです。

この写真の中からも 色々と時が止まっている物証を見つけることが可能ですが、この中で一番分かり易いのが "白看板" と呼ばれる旧型案内標識です。

白看板 こと、旧式案内標識

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"白看板"
こと、旧式案内標識。

それまで規格統一されていなかった道路標識が、昭和25年(1950)3月の法令大改正によって誕生。

白地 に 青字

というスタイルが 全国的に確立された。

この改正による大きな変更点として、アルファベットが併記された事。
法改正が行われた当時は 敗戦後の連合国統治下にあったので、米国を中心とする進駐軍に配慮した形となったようです。

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この規格の案内標識(=白看板)は、昭和46年(1971)11月の法改正まで全国に設置されました。
すなわち、今からすると少なくとも 47年前のもので、古く見えるのは無理もありません。

看板の設置されている高さが、設置当時を物語ります。昔は長身車両はそんなに存在しなかったでしょうから、これで十分だったのでしょうね。
道幅に関しても同様のことが言えます。

消えゆく白看板

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また別の場所でも白看板を発見しました。

白看板が残されている場所に共通するケースですが、かつての幹線が バイパス開通等により、旧道に落ち着いた場所で見られる事が よくあります。

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"池田"
高校野球で一躍有名になった、池田高校がある 旧三好郡池田町の事。
現在は市町村合併により三好市となっていて 自治体としての池田町は存在しません。

本来であれば 表記を現行市町村名に改編するか、標識自体を撤去しなければいけないのでしょうが、白看板自体が幹線を外れた多くの人たちの目に触れにくい場所にあるからこそ、存命が許されているのでしょう。

とは言え、これら白看板は その古さから、安全性や表記内容が実情に合っていない場合があることから、いつ撤去されてもおかしくない状況にあります。
これから失われることはあっても 新しく設置されることはありません。

白看板が醸し出す 時が止まった感... 今のうちにお楽しみください。

この記事を書いた人

野瀬 章史
野瀬 章史/ゲストハウスそらうみ 四国八十八ヶ所霊場会公認先達 法名・照山の僧籍

四国高松でゲストハウスそらうみを運営する傍ら、四国八十八ヶ所霊場会公認先達として、お遍路さんの案内を務める。法名・照山(しょうざん)の僧籍も持つ。趣味はバイクツーリング、カヌー、登山、鉄道、料理など。日本の全離島・全地点を隅々まで回るべく、愛犬しょうとの日本一周旅の途上。